あなたのやりたいことはなんですか?

「あなたのやりたいことはなんですか?」

 

障がいをもつわが子との日々に戦い疲れていた時に、

障がい児支援グループで知り合った先生に言われた一言です。

 

一瞬、何をいってるんだろう?と思いました。

言葉も全く通じない、そして、元気よくずっと泣いているわが子を抱えて、

寝る暇すらありませんでした。

下の子も生まれていました。

考え直してみましたが、やっぱり、時間があったら、寝たい…

本能のままの答えでした。

おしゃれ、お化粧はおろか、歯磨きだってまともにする暇のない25歳の母でした。

死ぬまでこんな毎日を送るんだと思っていました。

 

 

すぐに意味は理解できなかったけれど、

先生の言葉は、ずっと私の心の片隅にいました。

そして、ときおり、私はこの言葉を呪文のように繰り返しました。

 

 

時が流れ、いつのまにか、息子は、夜、なんとなく寝るようになりました。

夜中起きても、あまり泣いたり怒ったりしなくなりました。

そんな時は、トイレに遊びに行ったり、冷蔵庫に入っている冷たいお茶を飲んで、

また、布団にもぐり込むようになりました。

ヘルパーさんという頼もしい味方もできました。

少しずつ、私は、動けることが増えました。

 

 

あの日から、数十年。

あの時の先生の言葉の意味がやっとわかってきました。

どんなことがあっても、自分を見失うな!

という事を伝えたかったんだと思います。

 

私は、いくつかの「やりたいこと」を見つけました。

始めは、小さなことから。

子供と一緒にハンバーガーを食べに行くこと。

子供と一緒にドライブに行って、車中で大きな声で歌を歌うこと。

庭をお花でいっぱいにすること。

パンを焼くこと。

インテリアの本を読みこと。

プールに行くこと。

友達を呼ぶこと。

だんだん毎日が楽しくなってきました。

 

そしていつの間にか私自身の時間も持てるようになりました。

大学にも行けるようになりました。

仕事もできるようになりました。

成年後見制度から始まった障がい者支援活動も始めました。

大学でも、職場でも、たくさんの友達ができました。

私は、○○ちゃんママではなく、

節子さんになりました。

 

 

障がいをもつお子さんとの毎日が辛くなっているあなたへ

その毎日は、ずっと続くものではありません。

いつかは、希望の道が見えてきます。

気づいたら、もう見えているかもしれません。

その日のために、

あなたのしたいことを考えておいて下さい。